九州レインボープライドで参政党ソングが鳴り響いた件
九州レインボープライドが炎上
今年で11年目となる九州レインボープライドは、11月1日、2日の二日間にわたって福岡市博多区の冷泉公園で開催されました。
2025年のテーマは「私たちはここにいる。11年目の変わらない思い」。
恒例のプライドパレードでは天神地区を1キロあまりにわたって練り歩いたそうです。
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ところが、11月1日のステージに参政党の公式テーマソングを歌うシンガーソングライターの山口光貴氏が登場。
参政党の曲である『希望のヒカリ』を披露して大騒ぎとなっているのです。
山口氏は以下のように前置きして歌い始めたといいます。
《次の曲は参政党という政党のテーマソングになっているのですが、いい曲なので、政党とか気にせずに聞いてもらえたらと思います。》
「希望のヒカリ」とは、 暗闇(社会の停滞、外国勢力の影響、伝統の喪失)を照らす光のこと。
日本人が自らの力で国を再生し、「あきらめない」精神を呼び覚ますという歌です。
まさに参政党の目指す国家観、社会観を反映したものだと言えるでしょう。
出演させていただきました。
常に移り変わっていく世の中で
一人一人が暮らしやすく
自分に誇りを持って生きていく
そんな社会になることを心から願います。
出会ってくださった皆さんに
心から感謝です🫧
ありがとうございました✨
#QRP #九州レインボープライド
九州レインボープライドはLGBTQ+の多様性を祝い、差別反対を目的としたイベントである一方、参政党は同性婚反対やLGBTQ+関連政策に批判的な立場を取る政党として知られており、この行為がイベントの理念に反するとして、参加者やLGBTQ+コミュニティから強い反発を呼んだのです。
「参政党の歌を歌う人を呼ぶなんてありえない。運営の責任重大」
「ステージで参政党の歌を聞かされてトラウマ。運営は安全を保証できてない」
「当事者として甘い。10年のイベントに泥をかけた」
こうした激しい批判に対し、九州レインボープライドの実行委員会は、すぐさま以下のような声明を発表しました。
しかし、良かれと思って出したコメントが火に油を注ぐ結果となりました。
これからは「中立性に関するガイドラインの共有・同意」を徹底するという運営サイドに対し、お歴々のLGBT活動家たちが大激怒したのです。
「中立性強調は差別の黙認。LGBTQ+の抑圧に中立はありえない」というわけです。
その代表的な意見が、日本共産党の島本町議会議員、河上りさ氏の投稿です。
河上氏はトランス女性です。
幾多の差別の中、生き抜いてきた当事者にも、差別を行ってきた人たちにも、なんの意見も持たず場所と機会を提供するのが、レインボープライドなのでしょうか?
オペレーション以前に、理念の問題のように思います。
これからの為にも考えでほしいです。
さて、皆さんはどうお考えになるでしょうか。
正式な手続きを行なって出演したにもかかわらず主催者からも非難されたシンガーソングライターの山口氏はショックを受け、次のように問題提起します。
《レインボープライドが謳っている「誰もが生きやすい」「誰もが誇りを持って」という「誰も」が、誰を指すのか疑問は残りますが、当事者だけではなく、一人一人に人権がある事を忘れないでほしい。》
山口氏のセクシュアリティはバイセクシュアルです。
性的マイノリティの中には、リベラル政党の支持者もいれば保守政党の支持者もいます。
LGBT当事者の政党支持率は、おそらく新聞テレビが行なっている数字と変わりません。
なぜならセクシュアルマイノリティは、性的指向や性自認がヘテロセクシュアルと違うだけで、そのほかの部分については一般の人たちと同じだからです。
政党支持率
自民31.4%(前回33.8%)
立民8.4%(8.8%)
維新8.3%(5.1%)
国民8.8%(9.6%)
公明3.8%(4.3%)
れいわ新選組3.1%(1.9%)
共産党3.1%(3.1%)
参政党6.8%(8.1%)
中略
無党派層は19.8%(18.0%)
参政党は高市政権が誕生して支持率が下がったとはいえ、今でも共産党の2倍以上の数字を持っています。
つまりLGBT当事者であっても、共産党支持者より参政党支持者の方が多いことが想像されるのです。
もしレインボープライドが左派的な傾きを持つ人たち以外の参加は認めないというのなら、そのようなLGBT運動は正確な当事者の意見を反映していると言えるでしょうか。
山口氏が「誰のためのレインボープライドなのだ?」と疑問を投げかけたのは、このような現状認識があるからだと思います。
全国のレインボープライドが特定政党のための集会であるなら、共産党支持者の祭典『赤旗まつり』となんら変わらなくなってしまいます。
評論家の柴田英理氏をはじめ、多くの人たちが心配する所以です。
上野千鶴子氏との共通点
高市早苗議員が日本で初めての女性首相になったとき、フェミニストの第一人者である上野千鶴子氏は言いました。
「女なら誰でもいいわけではない」と。
今回の件は、これと似ていると感じています。
LGBT活動家は山口氏にいいます。
「LGBTなら誰でもいいわけではない」と。
ね?そっくりでしょう。