松浦大悟的2025年LGBT映像ベスト3
第3位 WHITE JAM『池袋サンシャイン』BL編
シロセ氏のXより
「キャンセルカルチャー」という言葉を、すでに皆さんはご存知だと思います。主に左派が多用する戦術ですが、自分が気に入らない発言に対して「それは差別だ」と騒ぎ立て排斥していくやり方です。左派陣営でしか通用しない正義を振り翳し、その人の人生をキャンセルしていく横暴さは、まさにLGBT活動家の十八番(おはこ)でもあります。
ゲイのライターである松岡宗嗣氏も、多くのキャンセルを仕掛けてきた一人です。アイドルが主演の映画『バイバイ、ヴァンプ!』に「同性愛差別だ」と難癖をつけて上映中止に追い込んだり、タレントの草彅剛氏が主演の映画『ミッドナイトスワン』がトランスジェンダー役を当事者にやらせなかったことに腹を立て日本アカデミー賞返還要求をしたり、それはもう手に負えない状態でした。こうしたリスクを回避するため、近年制作会社はLGBT活動家に頭を下げてドラマの監修をお願いするようになりました。ドラマのエンドロールを見てください。そこには有名なLGBT活動家の名前が必ず入っています。松岡氏自身も同性愛者を描いたドラマの監修をしており、まるで「自分が監修に入っていればキャンセルされることなどなかった。お金をケチって自分に頼まないからこんなことになったのだ」とでも言いたげな様子なのです。
そんな松岡氏が次に目をつけたのが、新進気鋭のミュージシャンであるWHITE JAMのミュージックビデオ、『池袋サンシャイン』BL編です。まずは、こちらのMVをご覧いただきましょう。
Music Video 公開しました。
youtu.be/SEp2xUJPubc
シロセのエロティック・キャピタル
WHITE JAMとは、2014年にメジャーデビューした三人組で、男性ボーカルのSHIROSE(シロセ)、男性ラッパーのGASHIMA(ガシマ)、女性ボーカルのNIKKI(ニッキ)で構成されています。Snow Man、SixTONES、Nissy、Da-iCE、嵐、松田聖子など数々のアーティストの作詞作曲を手がけるものの、本人たちは今ひとつブレイクできないでいました。
1987年生まれのシロセは今年38歳。決して若いとは言えません。2025年はおそらく背水の陣で臨んでいたのだと思います。「やれることはなんでもやってやる」との意気込みが『池袋サンシャイン』には現れています。ほとんど洋服の意味をなさないくらい布面積の少ない衣装、相手役の男性と練乳のかかったイチゴを口で奪い合う性的な絡み、音楽ファンに怒られながらもピアノの上に立つ挑発的パフォーマンスは、わざとアンチを呼び込む作戦です。なぜなら、存在を知ってもらえなければ楽曲そのものを聴いてもらえず、その他大勢の中に埋もれて終わりだからです。
だからシロセは、自分の持っているものを惜しげもなく披露します。イギリスの女性社会学者キャサリン・ハキム氏は「エロティック・キャピタル(性的資本)」という言葉を使いました。権力も財力もない若い女性が、自分に備わっている性的魅力を大いに利用して社会階層を上昇することは決して悪いことではありません。シロセは男性ですが、自らのエロティック・キャピタルに自覚的でした。そのシロセの姿態に興奮した女性たちの間でMVがバズり、アルゴリズムで衆人が目にすることとなりました。
《10年くすぶって負けばっかの人生です僕は。でも一つ一つ丁寧に向き合ってれば、誰かは見てくれてると信じて頑張ってます 僕の音楽を見つけてくれてありがとう 今年やっとホールライブが出来る様になりました…》
シロセのこの言葉に、12年間浪人生活(2013年に落選)を送っている私自身の人生が重なり、涙が頬を伝っていきました。そして一気にシロセのファンになったのでした。
でも一つ一つ丁寧に向き合ってれば、誰かは見てくれてると信じて頑張ってます
僕の音楽を見つけてくれてありがとう
今年やっとホールライブが出来る様になりました…
楽曲提供でヒットした曲も僕の力ではなくてSnowMan本人さん達の実力です!
シロセ vs 松岡氏
さて、そんなシロセに松岡氏は次のような批判を展開します。
①クィアベイティングはやめろ(クィアベイティングとは、実際に同性愛者やバイセクシャルではないのに、性的指向の曖昧さをほのめかし、世間の注目を集める手法のこと)。
②BLを禁断扱いするのをやめろ。
news.allabout.co.jp/articles/o/100… 「同性愛で遊ぶな」Snow Man楽曲提供のSHIROSEが公開したMVに批判殺到。「BLは禁断じゃないですよ」 有名アーティストに楽曲を数多く提供してきたSHIROSEさんですが、自身が所属する3人組グループ・WHITE JAMで公 news.allabout.co.jp
皆さんはどう思われるでしょうか。これまでのアーティストであれば、LGBT活動家が正義の斧を振りかぶって攻撃してくれば、たとえ自分は間違っていなくても簡単に白旗を上げたのではないでしょうか。要領よくかわすほうが無駄な時間を使わずにすみ、経済合理性に適っているからです。しかし、シロセは違いました。真っ向から松岡氏に反撃したのです。こんなことは前代未聞の出来事です。でも私にはシロセの気持ちがわかる気がしました。「苦労に苦労を重ねてようやくここまで辿り着いたのだ。LGBT活動家如きに潰されてたまるか」との執念。シロセの文章からは凄まじい熱量がほと走っていました。以下に引用します。
《「クィアベイティングだ!」
「禁断のBLは辞めろ!」 と言ってくる、
松岡宗嗣さんへ
①クィアベイティングについて
まずクィアベイティングに当てはまるのか、当てはまらないのか、ふわっとさせないでください。当てはまってしまうならプロの目線で「ここが当てはまる」と、言い切ってください。そうすれば、僕も訂正できます。ですが、松岡さん自身の文章にもある通り…当てはまると全く断定できませんよね?なら、人としてまずごめんなさい言いましょう! もしくは、引き続き批判できる理由が残ってるなら、その分野の専門家の言葉として責任の伴う批判をお待ちしてます。
② セクシャリティについて
性別やセクシュアリティは、本人が「自分から話したい」と思った時に伝えるものです。
ですので、このように著名なあなたが、ネット上で勝手に他人のセクシャリティの話をテーブルにあげる、言及する、圧力をかけるのは「暴きにいく」行為です。
差別に直結します。 僕はその差別ノリに加担したくありません。
あなた自身が書いた『LGBTとハラスメント』では、性自認に関わるプライベートな話題を本人の同意なく言及する事がハラスメントに該当するとして、明確に言及されています。僕の性別が何であったとしても、性別の話題を何十万人の前で、吊るしあげられる事自体差別行為ですよね?そうご自身、言ってましたよね?
どうかまだカミングアウトされてない方(含め)に、とっても、そんな差別が当たり前な世の中になりませんように。
③「禁断のBL」について
松岡さん、助詞をよく見てください。
「禁断のBL」であって
「BLは禁断」とは言ってません
助詞は、日本の教育なら小学2年生で必須科目なので、この説明は割愛します。
例えば、「禁断の恋」というタイトルの"先生と生徒の恋"を題材にした作品があった場合に「恋自体が禁断だ」とイコールにしてしまう方も、いますよね。
これは物を書くもの同士ならわかると思いますが、私たちがどんなに気をつけて発言しても、助詞誤認して捉えてしまう人は2〜5%程度出る事は仕方ないと思ってます。そう言った2%のアンチさんは、送ってくる助詞も(接続詞も)誤用してるので心を込めて無視しています。
(コンビニに売ってる「禁断のスイーツ」と書かれたプリンを見て、「全てのスイーツを禁断とか言うな!おかしい!」と、混同してしまう人なので、社会生活、大変やろなぁとしか思わないです。そのプリンが禁断の要素を含んだスイーツってだけです。材料とか、味とか)
ですので「BLが禁断だ」 とか、一切言ったこともないし、そもそもMV自体が「禁断の要素を含むBL作品」です。 禁断のBL https://youtu.be/SEp2xUJPubc
④結論。
その上で"SHIROSEは間違ってる"と言える理由がある場合は、どこが間違ってるのか理由を言ってみてください。
この作品は、Ethical check(表現の自由 vs 社会的責任 を確認するプロセス)を通過しているものです。倫理的に問題のないものを、著名な方に"論理もなく批判されている事"は少し迷惑です。
生きてれば肩もぶつかりますが、そっちからワザとぶつかって来たなら、ご活躍を祈る前に、できる事がありますよね。ぶつかった相手の肩の痛みは関係ないですか?
もしくは、まだあえて余韻を残してるなら引き続き何でも言及してください。その分野の専門家の言葉として責任を伴う批判だけ期待してます。》
「禁断のBLは辞めろ!」
と言ってくる、松岡宗嗣さんへ
①クィアベイティングについて
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